さかつう鉄道模型店
プラ製品で遊ぶ米国の客車列車Web版

その10:マイクロトレインズNスケール旧型客車の編成例
 下記の編成方法の解説は当初、マイクロトレインズNスケール客車のページに掲載しておりました
が思ったよりも長くなったので『プラ製品で遊ぶ米国の客車列車』の方へ新記事として移設させて
いただきました。また記載していなかった形式の分を追加掲載しております。
 あくまで『汎用例』として特定な列車編成を想定したものではありませんのでHOスケールの方でも
参考になる内容にしております。
*お客様より『編成する際の簡単な指針が欲しい』というご希望をいただきましたので仮に『製品化
された全車種を使用した長編成例』と『ローカル列車向けの短編成』の2種を掲載致しました。
(2018-09-06追記)
〈目 次〉
*一部車種を掲載していないので後で書き足すと思います。(2018-09-06追記)
 1:汎用編成表2種
 2:その他編成する際のヒント各種
 2-1:Express Box Car & Express Reefer
 2-2:Horse-Baggage Car
 2-3:RPO(Mail) Car & Baggage-RPO(Mail) Car
 2-4:Express-Baggage Car
 2-5:Coach
 2-6:Parlor Car (2018-09-08追加)
 2-7:Diner
 2-8:Sleeper
 2-9:Observation Car & Business Car
 2-10:Others
 3:終わりに

〈1:汎用編成表2種〉
製品化された全車種を1輛ずつ使用した長編成例 ローカル列車向けの短編成例
Express-Box Car & Express Reefer
*いずれも貨車のページに掲載。
HW Express-Baggage Car
HW Horse-Baggage Car(競走馬輸送車) (HW RPO Car)
HW Express-Baggage Car(全室荷物車) HW Baggage-RPO Car
HW RPO Car(全室郵便車) HW Paired-Window Coach
HW Baggage-RPO Car(荷物・郵便合造車) HW Paired-Window Coach
HW Paired-Window Coach(座席車)
HW 28-1 Parlor Car(特別座席車)
HW Diner(食堂車)
HW 12-1 Sleeper
(2段開放寝台×12、3人用個室×1寝台車)
HW 10-1-2 Sleeper
(2段開放寝台×10、3人用個室×1、2人用個室×2寝台車)
HW 3-2 Lounge Observation Car
(3人用個室×3、2人用個室×2展望車)
or
HW Modern Business Car
(近代型改装済み重役専用車)

 長編成例を写真で見せると下記のようになります。
*見本写真は製品化されている車種の多さ、色味の明るさから一部を除いてUP/Yellowを選択
していますが実際にはUP/Yellowで統一された旧型客車編成は『無かった』と思ってもらった方が
間違いないです。
 また連結時の左右方向の向きは、この写真の限りではありません。展望車のデッキが後ろを
向いていれば良い、程度です。それとて『プライベートカーばかりの団体列車』では向きがグチャグチャ
です。
Express Reefer:Railway Express Agency(REA)
*鉄道会社所属車も良いですが一番汎用なのはコレ!
Express Box Car:鉄道によって40フィート級、50フィート級
、1枚ドア、2枚ドア等、かなり差がありますが『蒸気暖房管と
信号管を装備している』、『台車が高速走行可能なタイプ』
といった共通点があります。
HW Horse-Baggage Car
HW Express-Baggage Car
HW RPO Car
HW Baggage-RPO Car
HW Paired-Window Coach
HW 28-1 Parlor Car
HW Diner:この写真では車体中央から右側の小さい窓の部分
が調理室、左側の広窓部が食堂になります。
HW 12-1 Sleeper
HW 10-1-2 Sleeper:この写真では中央から右側が個室の
通路側、左側が開放室になっております。
HW Observation Car or Business Car

〈2:その他編成する際のヒント各種〉
〈2-1:Express Box Car & Express Reefer〉
・日本型に例えるとスニ40やマニ44といった所でしょうか?エクスプレス・リーファーではイチゴ、鮮魚、
生花といった日持ちのしない物を輸送していました。
 Express ReeferやExpress-Box Carを一般の特急・急行列車に連結する場合は機関車次位
にします。これは貫通幌を持たないためです。ただし郵便・荷物列車に連結時は例外あり、です。
 いずれの車輛も外見上は貨車に似ていますが蒸気暖房や信号ホースの引き通し管を装着している
ため、分類上は『客車』になります。そのため貨物列車に連結される事は稀です。
〈2-2:Horse-Baggage Car〉
・急行列車に連結される事の多いのが競走馬専用車です。食肉用や運搬用の馬とは異なり、
ジョッキークラブや馬主会等が鉄道会社から専用車を借りて用いる場合(例:PRRなど)と鉄道会社
がレース開催前後に特定の列車に併結する場合(例:ATSFのグランド・キャニオン号)があります。
 通常の荷物車よりも側扉の数が多く、また前後どちらかの妻面が観音開き(=左右開き)に全開
出来るようになっているのが特徴です。その点を利用して個人の自動車輸送に使用した例もあります。

 余談ですが似た形状で用途の異なる『シアトリカル・バゲッジ・カー(Theatrical Baggage Car)』
という車種がペンシルバニア(PRR)鉄道に存在し、ブロードウェイで上演されるミュージカル、演劇等
の舞台装置の輸送専用車でした。
〈2-3:RPO(Mail) Car & Baggage-RPO(Mail) Car〉
・2形式の違いは『荷物室の有無』と『郵便区分室の広さの差』になります。
 2形式を一緒に連結する場合、郵便室を並べるときれいに見えます。ただし実際は固定編成では
ないので運用の都合で逆になっている場合もあります。
 また側面扉に付いている『メイル・キャッチャー(Mail Catcher)』は開いている向きが進行方向に
なります。 例: く →
 と書きましたがマイクロトレインズの郵便車関係はメイルキャッチャー(=車体に一体成型)の向きが
左右共に同一なので見る面によっては、どちらも後ろ向きになってしまうようです。
 一応、2形式を一緒に連結すれば両サイドで受け取れるようになっているようです。
 なお『列車強盗対策(=西部劇時代の話のようにもみえますが実は1950年代になっても発生して
いました)』で編成位置は機関車に近い側になっている事が多いです。
*南部の鉄道会社の郵便車(=例:KCS 1940 "Southern Belle")の室内図面を見ると『ガン・
ラック(Gun Rack=銃掛け)』が装備されていたりします…。
〈2-4:Express-Baggage Car〉
・乗客の大型手荷物、駅で集荷した個人向けの荷物を輸送する車輛です。ほぼ同様の外見を持つ
車輛に『ストレイジ・メイル・カー(Storage Mail Car)』という車種があり、こちらは扱いは郵便車ですが
『郵袋をそのまま輸送する(=車内で仕分けをしない)車輛』になります。
 積載物の重量の関係で70フィート前後の長さを持つ車輛が多いですが鉄道によっては魚腹台枠を
用いて台枠を強化した上で80フィート級にした車輛もありました。
・新製車もありますが日本型同様、別車種からの格下げ車もありました。
 郵便車関係(=ただしストレイジ・メイル・カーを除く)を除き、これらの車輛は車輛の性格上、『他鉄道
への乗り入れ』が頻繁にあり、他鉄道との接続駅で相手側の郵便・荷物列車に併結されて旅を続ける
ため『意外な所で意外な鉄道の車輛』という状況が多く見られました。
〈2-5:Coach〉
・現在製品化されているのは78席型かつ83フィート長の中・長距離運用タイプの車輛でボルチモア&
オハイオ(B&O)鉄道の車輛がベースになっております。
 また製品化企画中ですが70フィート長の近距離運用タイプが発売になっており、こちらはニュー・
ヨーク・セントラル(NYC)鉄道の通勤用がベースになるようです。
 編成する際は昼の列車やエコノミー列車であれば78席型をメインにし、そこへ食堂車等を追加、
夜行でも全寝台車列車以外は1輛程度編成すると『夜行列車を短距離だけ利用する方や安価に
旅行したい方向け』になります。
 車輛の向きは特に区別はありませんが窓から車内をのぞいてみて座席の向きで決めるのが良いかと
思います。
〈2-6:Parlor Car〉
・日本型に例えるとマイ38やクロ151に相当する特別座席車です。1人用の回転シートが左右1列
ずつ並んでいます。政財界、軍関係者の利用が多かった東海岸側のワシントンD.C.-ニューヨーク-
ボストン間の昼間の特急・急行列車に多く連結され、西海岸側ではサンフランシスコやサン・ディエゴ
方面等、軍関係者の利用の見込まれる列車に連結されました。
 戦後、バッド社製のステンレス車に置き換えられたペンシルバニア(PRR)鉄道の『コングレッショナル
・リミテッド号』等では『編成の前半が座席車、食堂車を挟んで後半全部がパーラーカー』という列車
もありました。
 それは極端な例ですが1~2輛程度を編成に入れる場合、編成位置としては『食堂車の前後、
または後方』が良いでしょう。そうする事で普通座席車の乗客が寝台車や展望車に侵入するのを防ぐ
『壁の代わり』になります。
 車輛の向きは特に区別はありませんが窓から車内をのぞいてみて座席が『ハ』の字になるようにする
のが良いかと思います。
 ちなみに日本でパチンコ店の名前に『パーラー』が付く事が多いのは、この『1人用の回転シートが
左右1列ずつ並んでいる』という所から取っているとかいないとか…。
〈2-7:Diner〉
・製品はペンシルバニア(PRR)鉄道の氷式冷房装置を搭載した車輛がベースになっております。
 編成する場合は中・長距離列車であれば最低1輛、座席車がメインの場合は2輛を座席車数輛分
離して入れると良いでしょう。全寝台車編成でも列車によっては2輛入れていた編成もあります。
 車輛の向きは特に区別はありませんがキッチン部分が先頭寄りにすると見た感じが良くなるかと
思います。
 また2輛を一緒に連結する際はキッチンを背中合わせにすると調理効率が良さそうですが同じ向きに
なっている場合もあります。
・読み方:よく『ディナー・カー』と間違われている方がいますがあちらの場合、つづりが『Dinner
Car』になります。この場合は『ダイナー』。日本のトワイライト・エクスプレスもそうでしたよね?
 そういえば洋書に『ディナー・イン・ザ・ダイナー(Dinner in the Diner)』という食堂車本がありました
っけ…。
〈2-8:Sleeper〉
・製品化されているのは2種類で両者の違いは『開放寝台がほとんどである』か『個室がそれなりにある
点』の違いです。
・寝台車が1形式各1輛、という事はあまり無く、寝台列車であればもっと入るのが一般的です。
また昼の列車でも寝台車に個室があるため『パーラーカーより格下だが通常の座席車よりは格上の
座席+個室車』としての使用例はあります。
・列車によっては他鉄道の寝台車が『乗り入れ寝台車』として併結される場合があります。そうすると
そこだけ塗装が異なるため編成のアクセントになります。
〈2-9:Observation Car & Business Car〉
・展望車とビジネスカーは用途が異なり、展望車は一般客用として通常に連結、対してビジネスカー
は鉄道会社の社長や重役、管理局長、果ては大統領や州知事、ハリウッドスター等の要人用、野球
の大リーグチームやアメリカン・フットボールチーム等の移動用に増結されます。
 *貫通路に鍵を掛けておけば一般客が間違えて or サインをもらいに侵入 or 暴漢が暗殺に、
といった『不測の事態』を避ける事が出来ます。

 この場合、編成の都合で『展望車の次に展望車』という連結になる場合もありますが日本の大部分
の展望デッキ付き展望車とは異なり、展望デッキ中央部または流線型展望車の展望室中央部が
開閉式になっている事が多いので隣の車輛に移動する事は可能です。
 また近年のビジネスカーは自前でサービス電源の供給設備を持っている事が多いため極端な場合、
客車列車が少な過ぎる or 無い場合は貨物列車の最後尾に連結される場合もあります。
〈2-10:Others〉
・最終手段:中途半端に客車が集まってしまったら『ここは鉄道博物館の敷地内』といった何かしらの
『言い訳』を考えれば大抵の人は納得してくれると思います。
 なぜならアメリカには高速走行可能なエンドレスや数キロ単位の試乗線路や遊覧線路を持っている
博物館が多数あり、また博物館の線路が本線と繋がっている所も多数あり、『現役機の博物館での
展示』、逆に『博物館所有車を現役の駅に持って行って映画の撮影』といった事が普通に行われて
いるためです。

・それ以外にも現代では旧型車や流線型客車でも、ある一定の基準(=アムトラックの私有客車の
車番を取っている、サービス電源の供給方法がヘッドエンドパワー式、など)を満たしていれば『陸の
クルーザー』的にアムトラックの列車に『1マイル何ドル』で増結して目的地の駅の側線に留置してくれる
制度があります。
 そのため『アムトラック・スーパーライナー編成の最後尾に往年の流線型客車や旧型客車が増結』
という例は日常茶飯事です。

 *オバマ大統領の就任式の際にアムトラック・アムフリート客車編成の最後尾にジョージア鉄道の
旧型ビジネスカー『300号』を連結し、それに乗車しながらワシントンD.C.の就任式会場へ向かい
ました。
 *2017年の高校生鉄道模型コンテストの優勝校の生徒がご褒美のアメリカ旅行でがツイン・
シティーズ・ハイアワッサ号のパーラーカー型展望車に乗車出来たのもこの制度を利用したおかげです。
 ちなみにこのサービスはかなり古い時代から存在し、鉄道著述家の中には自家用展望車を列車に
増結させ、旅をしながら旅行記を書いていた方も存在します。
〈3:終わりに〉
 以上、いろいろ書いてきましたが上記はあくまで『一例』であって流線型客車が登場してくると
旧型車だけで編成されている事は無く、流線型客車と混成されるようになるためカトー、コンコー、
インターマウンテン、旧ウォルサーズ(現ローウェル・スミス)の流線型客車を混ぜるとカトーが製品化
するような綺麗に揃った看板特急群には無い、雑多な車種で構成された急行クラスの雰囲気が出て、
ディーゼル機関車にメインを譲った後の大型旅客用蒸気機関車に牽引させるのにふさわしい編成に
なりますのでお試しください。