《1:海岸線の快速列車:サンタフェ鉄道RDC-1の2連》
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これ、MRのKalmbach社が以前発行した特別号『Modeling Railroads of the 1950s(すでに完売
しておりますが単行本『Modeling the'50s』として復活しました。ただし該当記事は掲載されておりません
)』掲載記事(=A Perfect Year)を通勤途中に読んでいて(思った時に読めるようにかばんに入れてある
のですが、あまりに長期間入れてあるので、かなりボロボロです…)思いついたのですが以前PROTO
1000ブランドからHOスケールでサンタフェ導入時塗装のRDC-1(バッド社製ディーゼルカー)が2輛発売に
なりました。
これ、いつものように『まだ大丈夫かな?』と思っているうちに完売になったあとに上記の記事を読んで
『やっぱり買っておけば良かった!』とちょっと後悔しているアイテムのひとつです。
というのも、この列車、RDC-1(=日本型風に言うとキハ)がたった2輛でフル編成!しかも製品化された
塗装はロサンゼルスとサンディエゴを太平洋岸に沿って結んだ快速列車時代のもの(といってもサンタフェに
しては、ものすごく『さっぱり』しています…)なので結構いろいろなサンタフェ初期DL(旅客用ディーゼル機
の例:FT、F3、F7、E1、E3、E6、PA/PB、Erie-Built、DL-109、…)と並べられるのです!(この中で
プラ製品化されていないのはE1位でしょうか?)
プロト1000製品も『初期型の原型仕様』なので実車にピッタリ!そうそう、ちなみに昔アサーンが発売
したRDCは後期型車体の上、短縮型(=ショーティー)ですので前面を中心に印象がかなり違います。
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《2:実物について》 |
サンタフェ鉄道が導入したたった2輛のRDC-1形ディーゼルカー、番号はDC-191号とDC-192号。
この秘蔵っ子は南カリフォルニア・フリーウェイの開通に対抗するため、サン・ディエゴ線に導入された快速
列車に2輛一組で投入されました。
南カリフォルニアの大都市であるロサンゼルスと軍港のあるサン・ディエゴを結ぶこの区間、太平洋を
横目に見ながら(区間によっては『海、浜、岩、線路、椰子の木』という感じで本当に線路のすぐそこが
波打ち際です!)ノンストップで結んだようで乗客定員160名。これは52席座席車換算で約3輛分に
相当します。
終点のサン・ディエゴは軍港都市である反面、観光地でもあるため冷房付き快速列車は大好評
だったようです。
ただ残念ながらフリーウェイへの対抗の切り札にはなり得なかったようで、サンタフェ鉄道におけるこれ
以上のRDC増備は行われませんでした。
また残念ながら実物の活躍期間は短く1956年1月22日、いつものように2連で運行中、ロサンゼルス
近郊の急カーブ(Redondo Junction)に高速で突っ込んだため脱線転覆して多数の死傷者を出して
しまいました。
この事故で先頭車だったDC-192号は大破。その後、カンザス州Topeka工場(=サンタフェの客車関係
を担当していた車輛工場)における修復工事の際に『RDC-2(=日本風に言うとキハニ)モドキ』に改造
された上、テキサス地区へ移動して『El Pasoan(=エル・パソアン)』号(エル・パソ~アルバカーキー)へ
転用されたため上記雑誌に掲載された記事によると『ディーゼル機関車牽引の客車列車ではこの
サービススピードを維持出来ないために列車自体が廃止された』そうです。
これはRDCの加速力や平均速度がディーゼル機関車牽引の列車に勝っていたことを物語っています。
ちなみにこの修復改造工事後の姿、正規のRDC-2と比べると荷物ドアの位置がかなり後方に寄って
いて客室窓数も減っているので改造する人はRDC-1とRDC-2から切り継げば出来なくはないでしょうが
かなりの大改造になりますよ。
ですが、こっちの方が塗装が派手!なんといってもウォーボンネット塗装ですから…。
この『El Pasoan号モドキ』仕様はKATOからNスケールにて発売されました。製品をそのまま連結
すれば即完成します!
参考模型写真:(KATO N-Scale)
381-1063009 Budd RDC-1+RDC-2 AT&SF #DC191+DC192
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《3:模型について その1:HOスケール》 |
Life-Like/PROTO 1000
433-30584 Budd RDC-1 AT&SF #DC-191 w/Red & Yellow Herald on Operating
End
*既に絶版になっております。
433-30584 Budd RDC-1 AT&SF #DC-191 w/Red & Yellow Herald on Operating
End
*既に絶版になっております。
上記が入手できれば、そのまま連結すると就役直後の状態になります。
またはウォルサーズにて売れ残っているRDC-1(出来れば台車・床下も銀塗装仕様)を2輛買って
レタリングを剥がした後に銀で再塗装してマイクロスケールのディカール(MC-4012)を貼れば『サンタフェ
就役時』は出来そうですがどうでしょう…。
私はとりあえず売れ残っていたレハイ・バレー鉄道塗装を2輛購入の上、すべてレタリングを消した状態
にまでしました。後は銀を再塗装の上、ディカールを貼るだけです。
Life-Like/PROTO 1000
433-31242 Budd RDC-1 Lehigh Valley #40
*既に絶版になっております。
中間部は貫通幌で繋がっていたのでしょうか?今となってはわかりません。残念ながらその部分の写真
が見つからないのです。
*注:Santa Fe Railway Historical & Modeling Societyから発売になった『Stan Kistler's
Santa Fe in Black & White』の中に貫通幌で結ばれたカットが収録されておりました!
(2010-04-09追記)
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《4:模型について その2:Nスケール》 |
カトーから発売になったRDC-1の2輛組(鉄道名は問いませんがHO同様、出来れば台車・床下も銀
塗装仕様がラクでしょう)をベースにレタリングを剥がした後に銀で再塗装してマイクロスケールのディカール
(60-168)を貼れば『サンタフェ導入時』は出来そうですがどうでしょう…。
と思っていてある日ネットで検索したら『Los Angeles Fire Department Historical Archive』の中
当時の脱線事故報告が写真入りで掲載されていました。(サンタフェ鉄道歴史協会の会報からの転載の
ようです。)
http://www.lafire.com/famous_fires/560122_SantaFeTrainWreck/012256_SantaFeTrain
Wreck.htm
その写真からサンディエゴ線で運用していた際にすでにウォーボンネット塗装だったことが判明。ということ
はNスケールの場合、サンタフェセットを2組購入の上、RDC-1のみを2輛連結(もちろん両端共にウォー
ボンネット側が先頭)にすればOK!さらに加工するのであれば上記のディカールを用いて片割れの
RDC-1に『DC-192』を貼れば完璧です!
KATO-N
381-1660005 Budd RDC-1 AT&SF #DC191
*既に絶版になっております。
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ではこの連載お決まりの『閉め言葉』で今回分を終わりにしましょう。
『それでは次回まで、ごきげんよう。』 |
Next Trains:その5:D&RGW "Yampa Valley Mail" |
《5:参考資料》 |
・"A Quarter Century of Santa Fe Consists" by Fred W. Frailey/RPC
Publication,
now CD-ROM version from Santa Fe Railway Historical & Modeling Society.
*『サンタフェ旅客列車ファン必携の一冊』とも言うべき一冊(というか今は1枚)。1945年以降、
アムトラック化前日の1971年4月30日までの編成表が列車番号ごとに事細かに掲載。真のサンタフェ
客車ファンは、編成表と巻末の車番リストを照らし合わせて当時の編成が想像出来るのです!
しかし写真や図面は掲載されていても見にくい物ばかりなので、そちらを期待する方には向きません。
・"Son of Doodlebug" by John B. McCall/Santa Fe Railway Historical & Modeling
Society
*表紙以外は、ほとんど白黒ですがサンタフェのガスエレの活躍写真が地域ごとに分類されています。
単行はもちろんのこと、PRRから購入したmP54の牽引&脱線シーン、貨車の入れ替え、といった
さまざまな使われ方をしているガスエレの写真に混ざってRDCも多数掲載されております。
And More !! |