〈2:その他編成する際のヒント各種〉 |
〈2-1:Express Box Car & Express Reefer〉 |
・日本型に例えるとスニ40やマニ44といった所でしょうか?エクスプレス・リーファーではイチゴ、
鮮魚、生花といった日持ちのしない物を輸送していました。
Express ReeferやExpress-Box Carを一般の特急・急行列車に連結する場合は
機関車次位にします。これは貫通幌を持たないためです。
ただし郵便・荷物列車に連結時は例外あり、です。
いずれの車輛も外見上は貨車に似ていますが蒸気暖房や信号ホースの引き通し管を装着
しているため、分類上は『客車』になります。そのため貨物列車に連結される事は稀です。 |
〈2-2:Horse-Baggage Car〉 |
・急行列車に連結される事の多いのが競走馬専用車です。食肉用や運搬用の馬とは異なり、
ジョッキークラブや馬主会等が鉄道会社から専用車を借りて用いる場合(例:PRRなど)と鉄道
会社がレース開催前後に特定の列車に併結する場合(例:ATSFのグランド・キャニオン号)が
あります。
通常の荷物車よりも側扉の数が多く、また前後どちらかの妻面が観音開き(=左右開き)に
全開出来るようになっているのが特徴です。その点を利用して個人の自動車輸送に使用した
例もあります。
余談ですが似た形状で用途の異なる『シアトリカル・バゲッジ・カー(Theatrical Baggage
Car)』という車種がペンシルバニア(PRR)鉄道に存在し、ブロードウェイで上演されるミュージカル、
演劇等の舞台装置の輸送専用車でした。 |
〈2-3:RPO(Mail) Car & Baggage-RPO(Mail) Car〉 |
・2形式の違いは『荷物室の有無』と『郵便区分室の広さの差』になります。
2形式を一緒に連結する場合、郵便室を並べるときれいに見えます。
ただし実際は固定編成ではないので運用の都合で逆になっている場合もあります。
また側面扉に付いている『メイル・キャッチャー(Mail Catcher)』は開いている向きが進行
方向になります。 例: く →
と書きましたがマイクロトレインズの郵便車関係はメイルキャッチャー(=車体に一体成型)の
向きが左右共に同一なので見る面によっては、どちらも後ろ向きになってしまうようです。
一応、2形式を一緒に連結すれば両サイドで受け取れるようになっているようです。
なお『列車強盗対策(=西部劇時代の話のようにもみえますが実は1950年代になっても
発生していました)』で編成位置は機関車に近い側になっている事が多いです。
*南部の鉄道会社の郵便車(=例:KCS 1940 "Southern Belle")の室内図面を見ると
『ガン・ラック(Gun Rack=銃掛け)』が装備されていたりします…。 |
〈2-4:Express-Baggage Car〉 |
・乗客の大型手荷物、駅で集荷した個人向けの荷物を輸送する車輛です。ほぼ同様の外見を
持つ車輛に『ストレイジ・メイル・カー(Storage Mail Car)』という車種があり、こちらは扱いは
郵便車ですが『郵袋をそのまま輸送する(=車内で仕分けをしない)車輛』になります。
積載物の重量の関係で70フィート前後の長さを持つ車輛が多いですが鉄道によっては
魚腹台枠を用いて台枠を強化した上で80フィート級にした車輛もありました。
・新製車もありますが日本型同様、別車種からの格下げ車もありました。 |
郵便車関係(=ただしストレイジ・メイル・カーを除く)を除き、これらの車輛は車輛の性格上、
『他鉄道への乗り入れ』が頻繁にあり、他鉄道との接続駅で相手側の郵便・荷物列車に併結
されて旅を続けるため『意外な所で意外な鉄道の車輛』という状況が多く見られました。 |
〈2-5:Coach〉 |
・現在製品化されているのは78席型かつ83フィート長3軸台車仕様の中・長距離運用タイプの
車輛でボルチモア&オハイオ(B&O)鉄道の車輛がベースになっております。
また製品化企画中(=2020年に発売開始)ですが70フィート長2軸台車仕様の近距離運用
タイプが発売になっており、こちらはニュー・ヨーク・セントラル(NYC)鉄道の通勤用がベースに
なるようです。
編成する際は昼の列車やエコノミー列車であれば78席型をメインにし、そこへ食堂車等を
追加、夜行でも全寝台車列車以外は1輛程度編成すると『夜行列車を短距離だけ利用
する方や安価に旅行したい方向け』になります。
車輛の向きは特に区別はありませんが窓から車内をのぞいてみて座席の向きで決めるのが
良いかと思います。 |
〈2-6:Parlor Car〉 |
・日本型に例えるとマイ38やクロ151に相当する特別座席車です。1人用の回転シートが
左右1列ずつ並んでいます。政財界、軍関係者の利用が多かった東海岸側のワシントンD.C.-
ニューヨーク-ボストン間の昼間の特急・急行列車に多く連結され、西海岸側ではサンフランシスコ
やサン・ディエゴ方面等、軍関係者の利用の見込まれる列車に連結されました。
戦後、バッド社製のステンレス車に置き換えられたペンシルバニア(PRR)鉄道の『コングレッショナル
・リミテッド号』等では『編成の前半が座席車、食堂車を挟んで後半全部がパーラーカー』という
列車もありました。
それは極端な例ですが1~2輛程度を編成に入れる場合、編成位置としては『食堂車の前後、
または後方』が良いでしょう。そうする事で普通座席車の乗客が寝台車や展望車に侵入するのを
防ぐ『壁の代わり』になります。
車輛の向きは特に区別はありませんが窓から車内をのぞいてみて座席が『ハ』の字になるようにする
のが良いかと思います。
ちなみに日本でパチンコ店の名前に『パーラー』が付く事が多いのは、この『1人用の回転シートが
左右1列ずつ並んでいる』という所から取っているとかいないとか…。 |
〈2-7:Diner〉 |
・製品はペンシルバニア(PRR)鉄道の氷式冷房装置を搭載した車輛がベースになっております。
編成する場合は中・長距離列車であれば最低1輛、座席車がメインの場合は2輛を座席車
数輛分離して入れると良いでしょう。全寝台車編成でも列車によっては2輛入れていた編成も
あります。
車輛の向きは特に区別はありませんがキッチン部分が先頭寄りにすると見た感じが良くなるかと
思います。
また2輛を一緒に連結する際はキッチンを背中合わせにすると調理効率が良さそうですが
同じ向きになっている場合もあります。
・読み方:よく『ディナー・カー』と間違われている方がいますがあちらの場合、つづりが『Dinner
Car』になります。この場合は『ダイナー』。日本のトワイライト・エクスプレスもそうでしたよね?
(ダイナー・プレヤデス)
そういえば洋書に『ディナー・イン・ザ・ダイナー(Dinner in the Diner)』という食堂車のメニュー
とレシピを解説した本がありましたっけ…。 |
〈2-8:Sleeper〉 |
・製品化されているのは2種類で両者の違いは『開放寝台がほとんどである』か『個室が
それなりにある点』の違いです。
・寝台車が1形式各1輛、という事はあまり無く、寝台列車であればもっと入るのが一般的です。
また昼の列車でも寝台車に個室があるため『パーラーカーより格下だが通常の座席車よりは
格上の座席+個室車』としての使用例はあります。
・列車によっては他鉄道の寝台車が『乗り入れ寝台車』として併結される場合があります。
そうするとそこだけ塗装が異なるため編成のアクセントになります。
サザン・パシフィック(SP)鉄道の戦前の例ではネバダ州の鉱山へ向かうローカル列車に
急行クラスから分割された寝台車が付いていた、という例もありますので『寝台車が連結されて
いる=本線の列車』という法則が成り立たない場合もあります。 |
〈2-9:Observation Car & Business Car〉 |
・展望車とビジネスカーは用途が異なり、展望車は一般客用として通常に連結、対して
ビジネスカーは鉄道会社の社長や重役、管理局長、果ては大統領や州知事、ハリウッドスター
等の要人用、野球の大リーグチームやアメリカン・フットボールチーム等の移動用に増結されます。
*貫通路に鍵を掛けておけば一般客が間違えて or サインをもらいに侵入 or 暴漢が暗殺に、
といった『不測の事態』を避ける事が出来ます。
この場合、編成の都合で『展望車の次に展望車』という連結になる場合もありますが日本の
大部分の展望デッキ付き展望車とは異なり、展望デッキ中央部または流線型展望車の展望室
中央部が開閉式になっている事が多いので隣の車輛に移動する事は可能です。
また近年のビジネスカーは自前でサービス電源の供給設備を持っている事が多いため極端な
場合、客車列車が少な過ぎる or 無い場合は貨物列車の最後尾に連結される場合もあります。 |
〈2-10:Others〉 |
・最終手段:中途半端に客車が集まってしまったら『ここは鉄道博物館の敷地内』といった
何かしらの『言い訳』を考えれば大抵の人は納得してくれると思います。
なぜならアメリカには高速走行可能なエンドレスや数キロ単位の試乗線路や遊覧線路を
持っている博物館が多数あり、また博物館の線路が本線と繋がっている所も多数あり、
『現役機の博物館での展示』、逆に『博物館所有車を現役の駅に持って行って映画の撮影』
といった事が普通に行われているためです。
・それ以外にも現代では旧型車や流線型客車でも、ある一定の基準(=アムトラックの私有
客車の車番を取っている、サービス電源の供給方法がヘッドエンドパワー式、など)を満たして
いれば『陸のクルーザー』的にアムトラックの列車に『1マイル何ドル』で増結して目的地の駅の
側線に留置してくれる制度があります。
そのため『アムトラック・スーパーライナー編成の最後尾に往年の流線型客車や旧型客車が
増結』という例は日常茶飯事です。
*合理化の影響で2020年頃から徐々に中止になっているようです。
*オバマ大統領の就任式の際にアムトラック・アムフリート客車編成の最後尾にジョージア
鉄道の旧型ビジネスカー『300号』を連結し、それに乗車しながらワシントンD.C.の就任式会場へ
向かいました。
*2017年の高校生鉄道模型コンテストの優勝校の生徒がご褒美のアメリカ旅行でがツイン・
シティーズ・ハイアワッサ号のパーラーカー型展望車に乗車出来たのもこの制度を利用した
おかげです。
ちなみにこのサービスはかなり古い時代から存在し、鉄道著述家の中には自家用展望車を
列車に増結させ、旅をしながら旅行記を書いていた方も存在します。 |
〈3:終わりに〉 |
以上、いろいろ書いてきましたが上記はあくまで『一例』であって流線型客車が登場してくると
旧型車だけで編成されている事は無く、流線型客車と混成されるようになるためカトー、コンコー、
インターマウンテン、旧ウォルサーズ(現ローウェル・スミス)の流線型客車を混ぜるとカトーが製品化
するような綺麗に揃った看板特急群には無い、雑多な車種で構成された急行クラスの雰囲気が出て、
ディーゼル機関車にメインを譲った後の大型旅客用蒸気機関車に牽引させるのにふさわしい編成に
なりますのでお試しください。 |